「いらっしゃ~い!」

「おはよう。お邪魔します。」



土曜日、蒼空は真田邸にやってきた。



「蒼空ちゃん会いたかったよ~!!」

「わ…私もだよっ…。」



二葉は蒼空に抱きついて甘えてきた。


蒼空はそんなことをされた経験がないので硬直しつつ、二葉の言葉に応えた。



「こら二葉。困ってるだろ!」



硬直したのがわかったのか、一紗が声をかけてくれた。



「ぶーっ!コミュニケーションじゃん!ねっ?蒼空ちゃん。」

「う…うん。」

「ほぅーら!」



二葉は一紗を流し目でみて、ニヤッとした。



「お兄ちゃんもハグしたらー?」

「!?ばっ…!」

「ウッソー!そんなことしたらセクハラよね~。いこ?」



二葉は蒼空の手を引っ張り、二葉の部屋に入ってドアを閉めた。


廊下に残された一紗は頬を染めて溜め息をつき、2人のために飲み物を準備しにキッチンに向かった。