始まりの予感



その形相にすごく威圧感を感じて、唾をゴクリと呑み込んだ。


返事をせずに私達の近くまでやって来た有明君は、無言のまま私とエイジの手首を掴んだ。


細くしなやかな指なのに、力は思いの他強くて。


王子様ってなんか特別な人種のように思っていたけど、やっぱり男の子なんだなって思った。


「え、ちょ」


「おわっ」


わけがわからなくて、思わず2人して驚いた声を上げる。


そして有無を言わさず腕を引っ張られ、扉の方へ向かってずんずん歩かされた。


どうやら完全に怒らせてしまったらしい。


終いには図書室から出され、ガタガタうるさい扉を勢い良く目の前で閉められた。


「ここは神聖な場所なんだ。イチャイチャするなら他を当たれ。二度とここには近付くな」


そんな捨てセリフと共に。