始まりの予感



「シオのテレパシーはわかりやすいからな」


「いや、送ってないから!」


クスッと笑ったエイジに、もはや何も言うまい。

エイジワールドに引きずり込まれるのはこりごりだ。


これまでにも何回引きずり込まれそうになった事か。


有明君スマイルにも落ちそうになった事が数回あるし、流されやすいのかな私。




「ひゃあッ」


耳にぬめっとした感触が走り、身体がビクッと反応する。


目の前には、舌をペロッと出してその艶やかな唇をなぞるエイジのイタズラな顔。


ゾクリと背筋に衝撃が走る。


「ななな、なにすんのよ」


火が付いたようにボッと顔を赤くした私は、しどろもどろになりながらエイジをキッと睨み付ける。


「なんかうまそうだったから」


「あのねぇ……っ」


普通に話しているけれど、エイジとの距離はかなり近い。


私だって一応女子だし、目の前には性格は最悪だけど学年ナンバー2のエイジがいて。

認めたくないけど、整った顔立ちをしてる彼にドキドキする。


「俺がかっこ良いって?」


綺麗に弧を描いた瞳。


私の腕を掴むエイジの手にギュッと力が込められる。


近付いて来るエイジの唇に、私はなぜだか抵抗出来なかった。