始まりの予感



「キスしてやるから、遠慮すんなよ」


「丁重にお断りさせて頂きます!ってか、早くどけ!」


嫌がる私に、あははと笑いながらエイジは唇を寄せて来る。


必死に顔を背けて抵抗する私の目には、なんとも余裕げなエイジの顔。


「マジうざいんだけど」


しかも、キスしてやるからってどんだけ上から目線なんだよ。


「ひっでー、シオは悪魔だな。自分から押し倒しといて」


「いや、押し倒してないから!全くもってそんな気ないから」


エイジはいつも私に下ネタを口にする。


私が恥ずかしがると、これみよがしに笑ってからかって来る。


「頼むから他当たって」


だからこれもいつもの冗談で、からかってるだけなんだろう。


わずかに自由になった手の平でエイジの顔をぎゅうぎゅう押し返す。


モテるんだから、私じゃなくてもいいのに。


「シオには俺のテレパシーが通じねぇみたいだな。俺にはシオのテレパシーが通じたってのに」


さっきからテレパシーテレパシーって。一体なんの電波だよ。

怖いわ。

発信した覚えとかないし。