始まりの予感



「はーなーせー」


それでも暴れる私に、エイジはクスクス笑っている。


背中に回された手がポンと頭に乗せられ、その仕草になぜか鼓動が勢い良く飛び跳ねた。


「照れんなって。シオ、今日の放課後俺んち来る?」


「は?行かない、行くわけない。ありえない!」


いきなりなにを言い出すんだ、こいつは。


体で責任取れって本気で言ってんの?


も、ものすごく身の危険を感じる。


「せっかく色々教えてやろうと思ったのに」


なにをだよ。

怪しすぎるわ。


普通、友達に身体で責任取れとか言う?


「いえ、間に合ってます。だから、離して」


「うん、やっぱやーめた」


はぁ?

だからなにを?


一人で勝手に話して、勝手に解決するのをやめて欲しい。

せめて私にもわかるように話してよ。

そんな事、エイジに言ってもムダだってわかってるけど。


いちいち訊き返さなきゃならないこっちの身にもなってほしい。