学校に着いて無事論文を提出し終えると、無性に国交部の部室に足を運びたくなった。
キーチと一緒に過ごした思い出の場所を、卒業前によく目に焼き付けておきたくなったのだ。
部室の鍵を借りに行き、自動販売機であったかいお茶を買うと、私はプレハブ校舎へと足を運んだ。
中に入ると、まだ講義時間中ということで、各部室には誰もいないようだった。
鍵を開けて国交部の部屋に入る。
いつもなら英語かぶれの学生と日本マニアの留学生がひしめき合ってうるさいくらいなのに、
広い教室も今日はガランとしていて、自分の足音が響き渡るだけだった。

