「ああ…、別にいいよ。マサも私のことを思って言ってくれたんだもんね。それはわかってるから大丈夫」
私が明るく答えると、少し間をおいてマサが言った。
〈そうじゃないんだ…〉
突然、マサの声のトーンが落ちた。
〈俺がミッチの出産に反対したのはさ…、ホントはキーチに嫉妬したからなんだ…〉
「え…?」
思えばマサは女の子と付き合ったりすることがなかった。
それで私は単純に、マサがふたりの女性と交際していたキーチのことを羨んでいるのかと思った…
が、それは全くの見当違いだった。
〈ホントは俺…、ミッチにキーチの子を産んでほしくなくて、ああやっていろいろ理由つけて反対してみたんだ…。だってミッチ、あいつの子を産んだら、一生キーチのこと忘れられなくなるだろ…?〉

