窓際にあった長椅子に隣り合って座ると、キーチが先に口を開いた。
「ミッチさ…、マサと別れたの?」
「え…?」
キーチはうつむいたまま続けた。
「いや…、友実から結婚式でスピーチしてほしいって電話がきたときに、ミッチとマサが別れたって聞いてたんだけど、俺てっきり友実にからかわれてるんじゃないかって疑ってたんだ…。けどさっき席次表でミッチの名前が旧姓に戻ってるのを見て、なんだ、やっぱ本当だったんだって思ってさ…」
「ああ…、うん、マサとは別れたんだ…」
私がうなずくと、彼はこちらを向き直った。
「…いつ?」
「あ、もう1年半以上も前のことになるけど…」
「へー、全然知らなかった…」
「ま…、離婚なんてそんな大々的にする話じゃないしね…」
私はなんとか笑ってみた。
「…じゃあ、子どもはミッチがひとりで育ててるわけ?」
「うん…」
「そっか…、それも大変だな」
キーチは私に同情するかのように、一瞬表情を曇らせた。

