今日は東京で就職したマサも来ていて、私は彼と離婚後初めて話をした。
「元気だった?」
「うん…。マサは?」
「うーん、まあまあってとこかな」
黒いスーツを着ていたせいか、かけていたメガネが昔と違ったせいか、マサは以前より一段と落ち着いた雰囲気をかもし出していた。
「お母さんや卓くんも元気?」
「ああ」
「忍ちゃんは…?結局、医学部には進めたの?」
「いや、もう全然話にならなくてさ。結局、看護学校に方向転換したよ」
「そうなんだ…。それは残念だったね」
「正直、金の面では助かったけどね。…まあ、あんな女に看護される患者もかわいそうだと思うけど」
マサは苦笑した。
「そんなことないと思うけどさ…、マサの方は?先生のお仕事はどう?」
「ああ。もう生徒にモテてモテて大変だよ。ホント、若い教師は得だわ」
マサは再び笑った。
「へー、それはよかったね」
私も笑った。
できるだけ明るくつとめようと意識したが、そう努力しなくても普通に話せたから不思議だった。

