「キーチか…?」
私は沈黙を通し続けた。
「そっか、やっぱあいつか…」
マサは張り詰めていた糸が切れるかのように、枕元にあった椅子にどさっと座り込んだ。
「俺に隠れて、ずっとキーチと会ってたのか…?」
私は首を横に振った。
「じゃあ、いつこんなことになったんだよ…?!言ってみろ…!」
「マサ、ちょっと声が大きいよ…」
私がそう注意するとマサは真顔に戻り、
数秒後、声を上げ自嘲的に笑い始めた。
「やっぱ俺じゃ、キーチの代わりはできなかったか…」
その後、彼は窓際へと移動し、すっかり暮れてしまった窓の外を見ながら言った。
「俺さ…、まだ誰にも言ってなかったんだけど、今年の教採、実はうちの県じゃなくて、東京都の試験を受けてたんだ…」
「え…?」

