4人部屋の一角に寝床を与えられ、ベッドの上で頭を悩ませていると、
マサが血相を変えて飛んできた。
「ミッチ…!」
いきなりカーテンを開け入ってきた彼は、部活指導中だったのか野球部のユニフォーム姿だった。
びっくりして飛び起きると、彼は興奮したように言った。
「お前、切迫流産なんだって?!」
体中から血の気がひいていくのを感じた。
ごまかしようがなかった。
私が無言でうなずくと、マサは赫然たる表情を見せた。
「なんで妊娠なんかしてるんだよ…?俺にはそういう覚えはないぞ?」
私はうつむいたまま「ごめん」とだけ言った。
「それって俺を裏切ってたってことかよ…?」
私は再び「ごめんね」と言った。
マサは苛立たしそうに「相手は誰なんだよ?」と問い続ける。
けれど、私は頑なに口を閉じていた。

