マサが来るなら、なんとなく遠慮したい気分だった。
〈マサ?…あー、あいつは来ないみたい。これから採用試験の2次まで進めたときのことを考えて、その準備をするんだって。別に1日くらい勉強しなくても、結果は同じだと思うけどねー〉
「そうなんだ…」
やっぱりマサは夢のためにちゃんと頑張っているんだ。
〈なんか深雪ちゃんと子どもはカナダに行かないことになったみたいで、送別会には来ないんだってさ〉
その口ぶりから、深雪ちゃんが別居を始めることはまだみんなに知られてないんだと思った。
私はいかにも今初めて聞きましたというように、「へー」とだけ言った。
〈だからミッチも気ぃ遣わないで来れるんじゃない?〉
「そう…、だね…」
結局私は友実に言われるまま、「じゃあ出席しようか」と言ってしまった。

