彼の口から最初に出てきたのは、「もう遅いよ」という言葉だった。
「深雪の気持ちは嬉しいよ…。俺にもそういう気持ちがないわけじゃないからね…。けど、あいつと幸の幸せを考えると、やっぱりこのまま兄貴と一緒にいる方がいいと思うんだ…」
そう言うコージさんの気持ちはやはり理解できなかった。
「どうして…?お互い気持ちが通じ合ってるんだから、素直に一緒になればいいじゃない…?そりゃ、キーチに会わせる顔がないかもしれないけど、そんなの…」
すると彼はすかさず私の目を見て言った。
「ごめん…、ちゃんと話す機会がなかったんだけど…、実は俺も、来年の1月から留学するつもりでいるんだ…」
「え…?」

