息を切らせてたどり着いた先には、運転席でタバコをふかしているキーチがいた。
彼は私に気がつくと、すぐ車から降りてきた。
「よお、早かったじゃん」
そう言って持っていたタバコを足元に投げ、右足で数回踏みつけた。
「乗れよ。俺もう腹ぺこぺこ」
久々に見る彼の笑顔に、涙が出そうになる。
「何食いに行く?今日はなんでもおごってやるぞ」
再び運転席に戻ろうとするキーチに、私はやっとの思いで言った。
「ごめん…、私、やっぱご飯いいや…」
「どうした?どっか具合でも悪い?」
彼は再びこちらを向き直った。
私は首を横に振った。
「ミッチ…?」
キーチがこちらへ近づいてきたので、私は覚悟を決めてたずねた。

