校舎を一歩外に出ると、昼間だというのになんとなく薄暗かった。 黒い雲が空を覆い、今にも雨が降りそうなかんじだった。 職員駐車場は結構広く、色とりどりの車であふれていたが、 私にとって見慣れたキーチの車を見つけるのはごく簡単だった。 さっきの話はきっとなにかの間違いにきまってる…。 私は後輩達の話を早くキーチに否定してほしかった。 きっとキーチは「なんだよ、そんなバカな話あるわけないじゃん」と言って笑ってくれるに違いない…。 そう祈りながら、私は彼の藍色のセダンへと急いだ。