キーチが深雪ちゃんとも付き合っている…。




でも、そう考えると、私がキーチの部屋に入れてもらったことがないのも、電話がいつも留守電なのも、メールの返事が来ないのも、


…すべて納得がいく。




深雪ちゃんは性格的にも見た目的にもかわいくて、みんなから愛されるタイプの子だ。


キーチが彼女を好きになってもおかしくはない。




「ま、信じてもらえないのも無理ないと思いますけど、そのうち深雪がママになったって話が聞ける日も来ると思いますよ…」




後輩ふたりはこれでもかこれでもかと、私の心に追い討ちをかける。




それ以上聞くに耐えられなかった私は、思わず席を立っていた。


「えっ…、ちょっと、ミッチ…?」




私を呼ぶ友の声さえ、もう耳に入らない。




私は食堂を飛び出すと、キーチと待ち合わせた職員駐車場へと走り出していた。