…どのくらい経っただろうか。
私は激しい痛みで目が覚めた。
麻酔が切れたのだろう。
額に脂汗をかいている。
吐き気もする。
辺りを見回すと、病室のベッドの上にいることがわかった。
窓の外はまだ暗い。
何時頃なのだろう。
起き上がろうとしたが、体が言うことをきかなかった。
ナースコールで助けを呼ぶ。
やって来た看護師は私の話を聞くと、
洗面器を用意してくれたり、蒸しタオルで体を拭いてくれたり、薬や点滴を追加してくれたりした。
まさに白衣の天使だった。
子どもはお腹から出たはずなのに、なんとなくまだ下腹部が重かった。
退室しようとする看護師に「赤ちゃんはどうしてますか」 とたずねると、
彼女はすまなそうな顔をし、「NICUに入院中よ」と答えた。
我が子のことが心配だったが、体中の痛みと闘うことで精一杯だった私は、
とりあえずまた少し休むことにした。

