「ミッチ…?おい、大丈夫か…?」 ドアの向こうでマサの声がする。 「たぶん…」 『破水』という言葉は本を読んで知っていた。 けれど、 『陣痛』という言葉に当てはまるような激痛はなかった。 まだ妊娠33週の終わり頃で、予定日なんて7週間も先だ。 もしかすると、母親が不幸のどん底にいるのを知ってて、 赤ちゃんも一緒に泣いてくれてるのかもしれない…。 …ふとそんなことを思ったが、 それは紛れもない、 至上の苦しみの始まりだった…。