更に便箋をめくる。
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それから20年以上、私はあなたの母親として生きてきました。
自分なりにいい母になれるよう、頑張ってきたつもりです。
真実を知ったあなたがこれから私にどう接してくれるのか、気にならないと言えば嘘になりますが、これであなたの態度が変わってしまっても、私は何も言えないだろうと思っています。
でもね、みっちゃん。
私はこの22年間、あなたのお母さんをやってこれて、本当によかった。
お父さんさんと一緒になれたこと以上に、あなたは私の人生に大きな喜びを与えてくれました。
私自身、後悔のない幸せな人生を送ってこれたと自負しています。
だから私はあなたにも、後悔することのない人生を送ってほしいのです。
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便箋上の一文字一文字から母の気持ちがひしひしと伝わってきて、私はいつしか号泣していた。

