支払いは母が私の分も済ませてくれた。 店の外で「ごちそうさま。これからまた仕事?」と聞くと、 母はさげていたバッグの中から白い封筒を取り出し、それを私の手に握らせた。 「これ、あとで読んでね」 そう言うと母は、暖かい日差しの中を駅の方へと歩いて行った。 母に渡された封筒を見ながら、私はようやく母が私に何かを伝えるために会いに来てくれたんだということを悟った。