重くなった体をゆっくり動かし、駅前通りに立つカフェに入ると、奥の方で母が席を取って待っていた。 母は地元企業で事務員をしているのだが、この辺りでどんな仕事があるというのだろう。 彼女は見慣れた制服姿ではなく、ベージュのツーピースという出で立ちで、なんとなくかしこまった印象を与えた。 小さなテーブルをはさんで座ると、私達は当たり障りのない話ばかりした。 私がマサが元気になった話をすると、母はそれを喜んで聞いてくれた。