彼が夜のバイトに行く時間だと言って帰った後も、私はひとりそこに残り、改めて少し考えていた。 マサとの結婚はやっぱりやめよう…。 みんなには事情を説明して、マサにもちゃんと謝ろう…。 子どもはひとりで育てよう…。 コージさんといろいろ話せたおかげだろうか。 いくらか前進しようとしている自分がいるから不思議だった。 眼下に広がるささやかな夜景が、まるで自分の未来を照らす希望の光であるかのように見えた。