「そんなら言わせてもらうけどさ…、俺は結婚なんてしなくてもいいんじゃないかって思うよ。男に頼らず自分でなんとかしろって感じ…?」
「え…?」
「確かに君の婚約者の言い分も、君が金のことを心配するのもわかる。けど最初だけ親か役所の福祉課みたいなとこに借金して、出産したらどんな仕事してでもそれを返して、あとはつましく生活していけばいいだけの話じゃん…?父親なんかいなくたって、意外と子は育つもんだぜ。俺がそのイイ例だ」
私は彼の両親が離婚して、彼がお母さんと暮らしていた話は少し聞いていた。
今の名字は物心ついた後に親の都合で名乗らされたものなので、あまり好きじゃないということだった。
「おふくろも俺がこんなプータローになるとは思ってもみなかっただろうけど…、自分で人生なんとかしなきゃいけなかったおかげでこうして好き勝手やってこれたわけで…、今じゃ母子家庭だったことに感謝してるくらいだよ」
「そうなの…?」

