「ごめ、ね…」 力を振り絞ってそう謝ると、マサは我に返ったかのように私から手を放し、 財布と携帯電話とブルゾンをつかむと、無言で部屋を出て行った。 私は彼を追いかけることもせず、ただふとんの上で涙を拭いながら、マサに甘えすぎていた自分を深く反省した。 彼を傷つけてしまったことに対し、罰を受けるのは当然だろうと思った。 自分がマサにしてきたことを考えると、死んで詫びても足りないくらいだ。