アウト オブ ザ ブルー


「私はね、マサと結婚すること、キーチには知られたくなかったの…。なのにマサは私が妊娠してることまで勝手に報告しちゃってさ…、ひどいよ…。キーチ、私のこと振られたからってすぐ他の男に走る軽い女だって絶対軽蔑したと思う…。もうキーチに合わせる顔がないよ…」




マサは急に真顔になり、その場で正座し直すと、私の両腕をつかんで言った。


「なんだよ、キーチにはもう会わなくていいじゃん。ミッチは俺と一緒になるって決めたんだし、みんなにもお腹の子は俺の子ってことにしてあるんだから、キーチなんかもう関係ないはずだろ…?」




マサの話も理解できないわけではない。


けれど、彼の無神経さにはもう我慢の限界だった。



私は彼の両手を振り払って言った。


「関係なくないよ…。だって、ホントはキーチが子どもを授けてくれたんだよ…?」


「それはそうだけど…」


「私、やっぱりキーチのこと忘れられないよ…。マサだってキーチのこと忘れられなかったら、忘れなくてもいいって言ってくれたよね…?あれは嘘だったの…?」