しばらくして聴き覚えのあるバラードが流れてくると、 私はその曲の歌詞の意味が知りたくなり、CDケースを取るため席を立った。 それは国交部の活動中だけでなく、キーチの車の中でも何度か聴いたことのある、非常に印象深い曲だった。 CDケースから歌詞カードを抜き取り、詞の内容を確かめる。 すると、 目から涙がこぼれ落ちた。 歌詞に綴られている想いと、自分とキーチとの関係がだぶっていたからだ。 “…僕らは近くにいるようで ホントはとっても遠いんだ…”