間に合わず。



「ちょ……、待ってよ―――!」



あたしの声は虚しく、駅のホームに響いた。





「あんた…、遅すぎじゃない?」



そう、声をかけてきたのは…
親友の西野 千秋(ニシノ チアキ)。

あたしが学校に着いたのは、お昼休みだった。



「ちょ…っとね…、いろいろあったんだよ…。」

「へぇ」



疲れて机にひれ伏すあたしを尻目に、お弁当を食べ続ける千秋。

「お疲れ」っていう、慰めの言葉はないんかい!
何かあたし、惨めじゃん。


そんな、惨めなあたしのお腹は…



グゥゥウウウ



凄い大きな音を鳴らす。

それを聞いた千秋は



「あたしのお弁当はあげないわよ。」



お弁当を腕に抱え、身構える。

これでも、一応親友…だと思う。



「……誰もそんな事、言ってないから。」



呆れたあたしは、美味しそうにお弁当を食べる千秋を置いて、購買へと向かった。





「ごめんねぇ。もう、売り切れちゃったんだわ。」



購買に行ったら、おばちゃんがお店を閉めていた。


……な、なんて運が悪いの。
今日って日は…


仕方なく、ココアで我慢することにした。

けど…―――



「何であんたがここにいるのよ。」



偶然バッタリ、会いたくない奴が…
朝倉 龍哉(アサクラ タツヤ)がいた。


ピッ、ゴトンッ