いつものように

学校から帰って

お母さんから叩かれている時

頭を殴られそうだったうちは

右手で頭をかばった




お母さんが布団叩きを

頭に向かって振り落とした時

右手の薬指と小指に当たった



"痛いっ…!!!"



と想った時だった



うちの足に血が垂れた…



右手を見れば

薬指と小指の爪が剥がれかけ

大量の出血をしていた…



お母さんはそれを見て


『ふんっ』


と一言言って

テレビのある部屋へ行った



うちはタオルを持ち外に出て

階段の下で必死に

血を止めようとしていた…




"何でお母さんはこんな事するの…


何であたしだけに

こんな事するの…


お母さんはあたしの事

嫌いなのかな…"



その時ちょうど

お父さんが帰って来てしまった


血だらけのタオルを見た

お父さんの表情が変わった…



うちの手を引き

家へ入りお母さんに


『お前がやったのか?』


お父さんの方をチラッと見た


『…………………』



お母さんは煙草を吸い

テレビを見て

何も答えようとはしなかった


『お前聞いてんのか?』



とお母さんの方へ
向かって歩いてった



『違うよお父さん!!!

学校から帰って来て

外で自転車乗ってたら

転んでこんなになっただけ!!!』




お父さんはその言葉に

何も言わずすぐ

救急病院に連れて行ってくれた



うちの右手は包帯で

ぐるぐる巻きになった…