「元村と楓山は放課後残れょー」

最悪だぁ…

「元村さんよろしくねっ」

楓山くんは
学年で一番人気がある人だ。

サッカー部のエースで
笑顔が王子様みたいと
評判が高い。

私は今その笑顔を向けられている…

クラスの女子の視線が痛いんですけど…

確かに楓山くんは
かっこいいと思うけど
雷斗さんに比べたらー…
って私はなんで雷斗さんと
比べてんの…?

昨日の夜
電話来るかなって期待してたけど
結局来なくて一人で落ち込んでた…

「元村さん…?」

『あっ…よろしくお願いします』

と言って
自分の席についた。

HRも終わり、今は
10分休憩だ。

「理沙ー?ボーッとしてどした?」

『ううんっなんでもないょ』

「そっか…あっ!今日、理沙待っていたいんだけど…奏とデートなんだ…でも、理沙が…」

『私の事は、気にしなくていいから!奏くんと楽しんできて‼』

「ありがと‼今度埋め合わせするから‼」

キーンコーンカーンコーン

一時間目が始まる
チャイムが鳴った。

奈那美は自分の席に戻って行った。

はぁ…
デート…か…
デートなんて
小説とか漫画とかでしか
見た事ないな…
手繋いだり、一緒にクレープ食べたり
プリクラ撮ったり、笑いあいながら話したりする事だょね…

私も実際的には
彼氏欲しいって思ったりするし
いつかは本当に好きな人と
仲良く手繋ぎたいって
思ってるょ…

想像してみると
私の横には…雷斗さんがー…
って何考えてんのょ‼
私は変態か‼
妄想も限度を超えると
気持ち悪いな…