「理沙…」

え…?

家に入ろうとすると,

『ルウ…』

私…ルウに悪いことした
ルウを傷付けた…

今日は,お母さんは
おばぁちゃん家に泊まると言っていた

『家で…話そ』

「…親,大丈夫か?」

『今はいないから…』

「わかった」

ガチャ

私とルウは
家に入った

『部屋行ってて?お茶持っていくから』

ルウは上に上がっていった

私もお茶をついで
部屋に上がった

『はぃ…』

私がベッドの前に座ると,
ルウは隣に座った

沈黙が続いた

『…ごめんね』

ルウは何も言わない

「お前…無防備すぎだろ」

『え…?』

「家に誰もいないのに,彼氏でもない男を家に入れるって…俺も男だよ?」

『どぅゆう意味…?』

「こんな事だってするょ?」

バサッ

え?
一瞬なにが起きたか
分からなかった…

私の上には
ルウの悲しそうな顔がある

つまり,私はルウに
押し倒されている状態…

『…ルウはそんな事…しなぃ』

「俺は…!いつまでも,優しい王子様じゃないんだぞ!」

え…?

「好きな女が他の男のものになる事がどれだけ辛いか…わかんねぇだろ?」

ルウ…
そんな悲しい顔しないでょ…

「わりぃ…理沙…」

ルウは私の上からどいて
起こしてくれた

『…ん?』

「お前…幸せか?」

私は迷いなく,

『うん。とっても幸せだょ』

「そっか…なら,いいや!理沙…誰よりも幸せになれょ…俺は理沙が幸せならおれも幸せだから!」

そう言って,ルウは
部屋を出て行った

ルウ…

ありがとぉ…


私…幸せになるからね