すると、SKYの一人が
私に気付いた…

「理沙さん…」

そぅ…

雷斗の弟の日向くんだ…

雷斗は殴る手を止めて
私に目を向けた


見たことのない
冷たい瞳…

すごく近くにいるのに…
どうして貴方はこんなに遠い存在なの?

「なんだ…」

雷斗が小さく呟いた

『雷斗…やめてょ…どうして…変わっちゃったの…?あの頃の雷斗はもぅ…いないの?』

「もう…あの頃の俺じゃない…二度と…俺の前に現れんな」

ズキッ

雷斗の言葉が胸に
突き刺さった…

そう言い残して,雷斗は行ってしまった

SKYの人たちも
迷いながら雷斗についていった

だけど…
日向くんだけは
私の肩を抱いてくれた

「理沙さん…泣いていいんすょ?」

『日向くん…グスッ』

「あの頃の兄貴は…もういないんすょ…もう…兄貴じゃない…」

そんな悲しい事言わないで…

『私…どうすればいいの…?グスッ』

散々忘れようとしたょ…
だけど…

できなかったんだ…

前に進むって言ったのに…

全然進めてないじゃん…

「また、後日ゆっくり話しませんか…?ここじゃあれなんで…理沙さんの連れも待ってますし…」

あ…
ルウの存在
忘れてた…

『うん…』

「じゃ…俺は失礼します。」

そう言って、日向くんは
行ってしまった

日向くんは
変わっていない。

あっ…

雷斗が殴った女の人は…

見ると…

『ミカさん…』

「理沙…ちゃん」

『ルウ…ちょっと私の家まで運んでくれないかな…?』

「あぁ」

ミカさんの傷は
結構深いと思う…

雷斗はどうして
ミカさんを殴ったの…?