「理沙…笑ったらもっと可愛いな」

この人は
ズカズカと私の心の中に
入ってくる…

でも,全然悪い気はしない…

なんでだろぅ…?

「ルウくーんっ」

クラスの女子がルウに
話しかけてきた

「悪いんだけど,苗字で呼んでくんない?」

「どーして?元村さん,さっきルウって呼んでたじゃなぃ」

「理沙以外の女に下の名前で呼んでもらうきないから」

「なにょ…それっ」

行ってしまった…

『女の子にはもっと優しくしなょ』

と,言いつつも
心の中ではすっごく嬉しかった

どうしてかなっ…?

「理沙…よかったらさ,今日一緒に帰んない?まだ,この街わかんないし…」

『いいよ…家,どのへん?』

「たしか…室田ってゆーとこ」

『私ん家も室田だよ!』

「まじっ?じゃぁ,ちょうどいいな」

『うんっ そうだね』

「あっ…携帯貸して?」

『うん?』

私は黙って胸ポケットに入っている
携帯を渡した

ルウはしばらく
携帯を扱った後,

「はい,俺の番号とアドレス登録しといたからっ」

電話帳を開いてみると,


ふふっ…
思わず笑ってしまった

登録している名前は


‘王子’

ルウは王子様みたいだね…


「俺のもっ」

ルウの携帯を見ると,

‘姫’

と、登録してあった