あれから,私は
無事に退院して
今日から登校する…

完全に雷斗を忘れたわけじゃなぃ…

でも…
いつまでも立ち止まっていられない

前に進まなきゃ…

『行ってきます』

「行ってらっしゃい」

外は
秋の心地よい風が吹いていた


雷斗…

もぅ……
思いださないから

学校につくと,

「理沙!久しぶり!大丈夫だった?」

と,たくさんのクラスメートから
声をかけられた

いつの間にか
席替えをしたのか…

私の席は
窓側の一番後ろの席だった

隣の席は空席

ガラガラ~

「はい、席つけー。今日は転校生紹介すんぞー」

担任が入ってきた

その後ろには
客観的に見たら
かっこいい男の子がいた

女子生徒の目が
ハートになっていた

「東京から来ました。橋川 ルウです。」

ルウくんって言うんだ…
珍しい名前…

「橋川はあの席に座ってくれー」

あの席とは、私の隣の席の事だ

橋川くんが
近づいてきて,隣に座った

「よろしくなっ」

とびっきりの笑顔を向けられて
不覚にもドキッとしてしまった…

『元村 理沙です』

「理沙かぁ…俺の事はルウでいいから」

『ルウ…』

「うん!女には理沙しかルウって言わせねぇから」

どーゆー事?

『なんで?』

「内緒ー!」

『えー!教えてょー』

「まだ,言わねぇよ」

『じゃぁ,いつかは教えてくれるんだ?』

「おぅ!」

『ふふっ』

あ…
久しぶりに笑ったな…