雷斗さんが
小さな声で

「部屋行こう…」

と、囁いた。

私は黙って頷き
雷斗さんの後をついて行った。

ガチャ

「理沙ちゃん…」

雷斗さんは
今にも泣き出しそうな瞳で
私を見つめている。

どぅして…?
胸がキュッと苦しくなった…

「守ってやれなくてごめん…」

雷斗さんの
綺麗な瞳が潤んだ

「今、この状況で言うのも可笑しいけど俺理沙ちゃんが好きなんだょ…」

雷斗さん…

「俺と付き合ってほしい」

雷斗さんは
ハッキリと真剣な顔で言った。

『…私も…雷斗さんが好きです』

初めてだょ…
こんなに人を愛しく感じるのも
誰かに好きと言うのも…

全部雷斗さんが
初めてなんだょ…

「まじで…?」

私はコクンと
頷いた。

「やべぇ…すげぇ嬉しい…!」

雷斗さんは
子犬みたいにはしゃいでいた。

そんな雷斗さんを
愛しく感じた。

「これからよろしくな!理沙っ」

雷斗さんは
満面の笑みを浮かべて
私の頭をポンポンとした。

“理沙”

その日から
雷斗さんは私の事を
理沙と呼ぶようになった。

くすぐったい気持ちで
いっぱいだった…