中学三年生になって三日目のこと。
私の親友である真希が、三つはなれた教室から飛んできた。
一年、二年と一緒だったけれど、三年で離されてしまったのだ。


「ねぇ、聞いてよ衣里!うち彼氏出来たの!」

「まじ!?それ俺の知ってる人?」

「どうだろう?先輩だから知らないかも。」

「そっか~。名前は?もしかしたら知ってるかもしれないし!」

「うん。名前は三神博(ミカミ ヒロシ)っていうんだ。」

「三神博...かゴメン知らないは」

「やっぱり。博ってかくからあだ名は博士っていうんだ」

「!やっぱ知ってる!元卓球部の先輩でしょ?」

「うん。よく知ってるね!」

「まあね~。」

「あぁー、衣里の彼氏卓球部だっけ?」

「うん!」

「今どうなの?その彼氏とは。」

「まぁぼちぼちってところかな。」

「相変わらず進展なしなわけね。」

「うん。まぁ~ね」

「ウチなんかもうデートのお誘い来たよ!いいでしょ~」

「あ~はいはい。」

「ちょっと~もうちょっと羨ましがったりとかないわけ~?」

「別に~俺は今のままで十分なの~」

「二人とも消極的過ぎるんだよ!」

お前は積極的過ぎるんだよ!
とはいえないよな~。
てか、こうなった真希を止めるのは骨がいるんだよな~
よし!無視しよう。

「ちょっと。聞いてるの?衣里~」

「あぁ~ごめんごめん。ちゃんと聞いてたよ。」

「じゃあ決定!」

「え?なにが?」

「やっぱり聞いてないじゃん!まぁいいけど」

「.....すまん」

「いいって。だからね?今週の土曜日二人とも空いてるでしょ?」

「俺は何にもないけど?」

「今週の土曜日、博士とデート行くから衣里たちも一緒に行こう!」

は?何言っちゃってんのこいつ?

「凛歌たちとダブルデートなの!だから、ね?一緒に行こう?」

いやいや。ね?じゃねえよ!なんで君たちとトリプルデートせにゃならんの?

「え~~いいじゃん。」

「超能力者!?」

「全部声に出てたよ。」

「あ!まじか。いやだってさ~」

「いいからいいから。誘うだけ誘ってみてよ!」

「ぅ~しょうがないな~。誘ってみるだけだからね?」

「うん。あ!やば!もうチャイムなるは。また帰りね~」

「うん。ばいば~い。」

ったく。いつも唐突過ぎるんだよあいつは。