「ミコト、大好きだ!」
思わず、ミコトに抱きついてしまう。それくらい、俺はミコトのオプションサービスを嬉しく思えたんだ。
「なっ、どうした!?湊、変なモノでも食べたのか!?」
「だって、ミコトが彼女のケガを治してくれたおかげで、彼女の痛みに苦しむ時間が減ったんだから!」
「ったく。本当にお前は、猫を溺愛しているのだな」
「そうだね、そうなんだよ。認める!」
あきれたように笑うミコトを、俺はしばらくの間抱きしめ続けた。
こんなことで、俺がロシアンブルーを置き去りにした罪は消えないのだけれど、今はただ、この穏やかな気持ちを大切にしたかった。
クロムは、大切なパートナーだった。それは、これからも変わらない。だけど俺は、他の猫達も大切にしたい。そういう人間でいたい。
「しかし、長年生きてきたが、男に抱きつかれたのは初めてだぞ。神に抱きついた人間など、歴史上の人物にも皆無に等しい」
「そっか。じゃあ、俺はツイてるね!」
「そろそろ離れてくれ。我は寛大な方だが、この図を誰かに見られたら妙な疑惑をかけられてしまうからな」
「ミコトでもそういうこと気にするんだね」


