彼女のすべてを知らないけれど


「俺はどうでも良くない!っていうか、ミコトには色々訊(き)きたいことがあるんだ」

「おお、何だ?」

ウィンクルムが起きてしまうといけない。俺はこの部屋から出るようミコトを促すと、ベッドルームの扉を閉め、玄関に向かった。

「外で話していいかな?ウィンクルムには聞かれたくない話なんだ」

「……ほう。改まってどうした?」

「うん、ちょっと……」

「いいだろう。しかし、夜とはいえ、目立つ場所は避けたいところだ。我はそうそう人間に姿を見られるわけにはいかないからな」

「わかったよ。じゃあ、あそこに行こう」

「そうだな」

俺達の意見はかぶった。

落ち着いて話ができ、人目のつかない場所。

俺達は命守(みことのもり)神社を目指した。


昼間、あれだけ参拝客で賑(にぎわ)わっているのに、深夜の命守神社は不気味なほど静かだ。

然も、今頃寝ているんだろう。神社の本殿(ほんでん)裏に位置する彼の家は、全ての照明が消され真っ暗だった。