彼女のすべてを知らないけれど




夕食の片付けやシャワー。ウィンクルムに浴室の使い方を教えながらそれらを何とか済ませると、深夜0時になっていた。

人にものを教える経験が全く無かったせいか、思いのほか手間取ってしまったのである。

ウィンクルムから先にシャワーを浴びさせ、その後俺も入浴を済ませた。


髪を乾かし俺が寝室に戻ると、ウィンクルムは先にベッドで眠っていた。

猫時代のクセが抜けないのか、ウィンクルムは文字通り、猫のように体を丸めて寝ている。


「本当に、あのロシアンブルーなんだね
、君は」

何とも言えない気持ちになった。

人間になって俺のアパートにやってくるだなんて夢にも思わなかったけど、

非日常的な出来事に遭遇してイマイチ現実味を感じられないけど、

今、こうして彼女のそばにいる自分はたしかに存在していて、疑いようのない現実なんだ。