彼女のすべてを知らないけれど


ウィンクルムは、それから必死に頭を下げていた。俺も同じように、店主に謝りまくった。

出会ってからふてぶてしい言動ばかりの彼女が、ここまでするなんて意外でもあった。

「まったく、君達は……」

店主が俺達の謝罪を受け入れ、通報をやめてくれたのはすぐだった。

運が良かった。もっと厳しい人だったら、謝ってもダメだったかもしれない。

「ありがとうございます!」

まだ新しい学生手帳を店主に渡し、ウィンクルムを店内に待たせ、俺はATMのある場所まで走った。


支出9000円。貯金の少ない自分には痛い出費だけど、これで全てが解決するなら安いもんだ。

しかし、ウィンクルムはなぜ、合鍵を30本も作ったんだろう?