「ウィンクルム、探したよ。こんなとこまで来て、どうしたの?」
裸足のウィンクルムに駆け寄り、俺が尋ねると、店主が苛立ったように、
「君、このコの知り合いかい?」
と、怒りの矛先をこっちに向けようとしんばかりの口調で訊いてきた。
どうして、この人はこんなに怒ってるんだ? ドキドキしながら、俺は何とか答えてみせる。
「はい、このコは俺の知り合いです」
「だったら、ちょうどいいや」
店主が、一枚の紙切れを持ってカウンターから出てきた。それは、何かの請求書っぽかった。『¥』という文字が見えたから。
「このコね、合鍵を作ってと頼んでおきながら、お金は持ってないと言い出したんだよ。身分証明も持ってない、ケータイやスマホも持ってない、そう言われたら、帰すわけにいかないし。
こっちも商売でやってるから、困るんだよね、こういうことは」
「は、はい……」
勢いよくまくし立てる店主。普段は優しくいい人そうな顔をしてるのに、ウィンクルムと関わったことでただの意地悪でこわい人に見えてしまう。


