ミコトのおかげで、ウィンクルムの居場所はすぐに分かった。
駅前の商店街。ほとんどが、近年建ったショッピングモールの影響で営業を辞めてしまっているが、それでもいくつかの店は開いていた。
パン屋や写真屋、そして、合鍵を作る店も……。
「いた…! ウィンクルム!」
寂れた古い建物。店舗の全面ガラス張りになった合鍵屋(勝手にこう呼ぶことにした)は、ウィンクルムの後ろ姿をくっきり表通りに映してくれていた。
なぜ、彼女がここにいるのか分かったのか。ミコトのおかげである。
神を名乗るだけあって、ミコトには不思議な力があることはすでに知っていることだったので、人を探す能力を見せつけられても驚く気になれなかったが、それでも、やっぱりすごいなと感心した。
「ありがとう、ミコト」
「我に感謝し、敬うといい」
横で調子に乗っているご機嫌な神を無視し、俺は合鍵屋の手動式ガラス扉を押した。
レジで店員と向き合っていたウィンクルムは、なぜだか困った顔でこっちを向く。
外からは分からなかったが、店主の初老男性は不機嫌そうだった。店内の雰囲気も、何となく、いや、確実に重たい。


