彼女のすべてを知らないけれど


なかなか起きないので、ちょっと強めに ミコトを揺さぶってみた。

「おお……! 湊、元気か?」

「神も眠るんだね」

呆れたように、言ってやる。

「昨日は、どうして来なかったの? 毎晩 欠かさず夕飯食べに来てたクセに」

「お前が、命守流願望成就札を他の者に 譲渡するからだ」

「俺が、ウィンクルム――あの猫にお守 りをあげたから?」

「まあ、な」

「本来ミコトは、命守流願望成就札を持 つ 者の前にも現れないんじゃなかったっ け? 」

「細かいことはどうでもよかろうっ」

咳払いをし、ミコトが言った。

「我も、猫の願いを叶えるのは初めて だったからな、様子が気になり、ここへ 来たの だ。

あの娘なら、ちょっと前に急ぎ足で出て いったぞ」

「そうだ! ウィンクルム…!」

こんな時間に、どこへ行ったんだ?てっ きり、寝ているものだとばかり思ってた よ。

「あのコ、まだ靴なんて持ってないの に……!」

「猫だったのだから、裸足でも違和感な い のではないか?」

「そんな、ノンキな!」

ミコトと話したいのは山々だが、今は ウィンクルムを探すのが先だ。