彼女のすべてを知らないけれど


命守神社で然と別れ、俺は急ぎ足でア パー トに帰ろうとした。

留守番兼睡眠中のウィンクルムが心配 だ。 まだ人間の体に慣れないと言ってい たし、 彼女がこの生活になじむまでは、 出来るだ けそばに居てあげた方がいい。

然と話していたら、さっきに比べ、不思 議と気分は軽くな った。まだ、引っかか ることはあるけど……。


アパートに着くなり、

「ただいま!」

ぎこちない感じでそう口にした。一人暮 らしを始めてから、こんな挨拶したこと ない 。当然、返事はなかった。

まだ、寝てるかなー?

そっとベッドルームを覗いてみると、そ こ にいるはずのウィンクルムはいなく なって おり、その代わりとでも言うよう に、ミコ トが爆睡していた。

初めて出会った日と同じスーツ姿で、気 持 ち良さそうに寝ているミコト。

彼の顔を見ていたら、色々質問したい気 分 が湧いてきた。

「ミコト…! 起きて!」

ウィンクルムはどこへ行ったんだ!? 第 一、彼女はまだ自分の靴を持っていない は ずだ。

あのコなら、俺の靴を勝手に履いて出掛 け てもおかしくはないけど……。

ミコトを揺さぶりながら、俺は部屋中を 見 渡す。