一人で猫探しをしてくれていた然と外で 待 ち合わせると、俺は彼に全てを話し た。
然の自宅前。すっかり夜の闇に沈んだ命 守(みことのもり)神社。俺達は、敷地 の隅に備え付けられたベンチに座ってい る。
「そっかー。湊の探してた猫が、ウチの お守りを使って人間になったんだなぁ」
驚きとためらいを混ぜたような息を吐 き、 然が言った。
「まさかの展開だ。あのお守りは、湊の 言った通り、対人間用に作った物なんだ よ。 それを動物が使ったなんて前代未聞 だし、 今も信じられない気分だな」
「だよね……。ウィンクルムと会話した 俺でさえ、こんなこと信じらんない し……」
然に合わせてそう返しつつ、俺はウィン ク ルムの存在や彼女の言葉を信じてい た。現 実味のない現実。だけど、これは たしかに 俺のリアルなんだ。
ウィンクルムと話していた時に感じた苦 い想いが、再び胸に広がる。気のせいだ ろうけど、口の中まで苦い気がした。
「ウィンクルムと暮らすのはいいんだけ ど ……。猫だった彼女が人間になった理 由も謎だし、俺んちに居た理由も説明さ れてな いし、なにより、彼女は人間に不 信感があるみたいなんだ。そんなコと暮 らしてうまくやって いけるのかな?っ て、不安で……」
「同じ大学の奴らなら、女の子と暮らせ るってことに喜ぶんだろうけど。
そういうとこ、やっぱり、湊らしいとい う か」
呆れたように、然は笑う。


