彼女のすべてを知らないけれど


服の着方が分からないって、幼稚園児より子供みたいだな。それくらい、自分でできて当たり前な年頃なのに。

っていうか、彼女は、引っかかることを言わなかったか? 『今は人間だ』とか何とか……。

もしかしてだけど、彼女も、人間ではない何かなのか? ミコトみたいに。


ミコトに出会う前だったら、彼女の言動を不審に思ったかもしれないけど、今の俺は、良くも悪くもそういう話になじんでいる。異世界人や魔法使いも、あり得なくはない存在だと、今なら思えてしまう。


歳の近い女の子に服を着せるなんて初めての経験で、俺はドキマギしていた。

彼女は、早くしなさいよと言わんばかりに、ベッドに座って足組みしている。目のやり場に、本気で困った。羞恥心ないのか、このコは。

ドキドキしてると思われるのも恥ずかしいから、俺は平然を装い、彼女に服を着せていった。

第一関門、クリア。意外に早く済んで、ホッとする。