彼女のすべてを知らないけれど


命守(みことのもり)流願望成就札。

ゴクンと唾をのむ。そのお守りがある から、ミコトと名乗る神がこうして現れた?

「それは、さっき然にもらったんだ。何でも願いが叶うお守りだって言われて……。

ミコトは、もしかして、俺の願いを叶えるためにここへ来たの?」

「信じてくれたか。話が早くて助かる」

ミコトは目を輝かせ、生き生きした声音で言った。

「本来、我は、こうして札の持ち主の前に姿を現すことはないのだがな。お前が然の友達だと知って、特別にこうして顔を出したというわけだ。

いくら大金を積んでも、こんな体験できないのだぞ。喜ぶがいい!」

「然と、知り合いなの?」

「お前、嬉しくないのか!? 声を上げて驚いたりしないのか!? 願いを叶え る神がこうして直々に会いに来たというのに! まあいい。嬉しさのあまり拍子抜けしているということにしといてやる。

然とは、数回だが会ったことがある。我は、アイツの神社を拠点に活動しているからな」

「そっか、だから然は……」

然からお守りをもらった時のことを思い出した。さっきまでは、お守りの効果を信じてなかった。

しかし、あの時の然は俺の反応などちっとも気にせず、自信に満ちた表情で「そのうち分かる」と言っていた。こういうことだったのか……。


現在こんな体験をしている自分に、俺は納得するしかなかった。