「青春を送る者達とこうしておしゃべり を楽しみたいのはやまやまだが、我には 他にやらねばならぬことがあるのでここ らで失礼するぞ」
ミコトが名残惜しげに席を立ったのを キッカケに、俺達はカフェを出た。
店先でミコトと別れ、里桜と雑談をしな がら歩く。
「ねぇねぇ」
アパートに着くなり、里桜が耳打ちして きた。
ミコトと三人のトークでぐったりしてい た俺は、それまでの雑談でそうしていた ように「何?」と、気だるい声音でこた える。
里桜は目をキラキラ輝かせ、
「いいこと思い付いたんだけど!私、湊 のこと好きなフリしようか?」
「え!?なんで??タクとうまくいくた めにココに泊まってるんじゃ……!?」
「タクのことは別問題!!今は、ウィン クルムちゃんの本心を暴くのが先だか ら!」
「だからって、どうして俺を好きなフリ なんかするの!!」
里桜のことは友達として好きだしいい人 だと思う。でも、里桜に好かれているー だなんて誤解、ウィンクルムにされたく ない。


