「うん」とか「わかった」。言えるはず の言葉はあるのに、今の俺は、返す言葉 を見つけることができなかった。
好きな女の子に気持ちを受け入れてもら えないのは想像以上にショックで、胸に ズシンとのしかかるものがある。
告白してOKしてもらえるとは思わな かったけど、こうもキッパリ拒否される とも思ってなかった。うぬぼれかもしれ ないけど、今までウィンクルムと過ごし た時の中に、二人の心のつながりみたい なものを感じていたから……。
「うんって言いなさい?」
ウィンクルムが、俺を促す。
「言っておくけど、この件であなたと気 まずくなるのは本意じゃないのよ。私 も、人間になった以上、宿無し生活は困 るし……」
「もちろんそれは、いても、いい よ……。追い出す気なんてないし……」
こうやって平気なフリをするのが精一杯 だった。
「ウィンクルムの気持ちはわかった。
もう俺は何も言わないから、冷たくする のはやめてくれないかな?今までみたい に、家族っぽく……というか、友達とし て仲良くしてほしい」
今、然の気持ちが痛いほどわかった。元 カノと友達として仲良くしていたい、好 きな女の子とどうにかしてつながりを保 ちたいって気持ち……。


