然に頼るまでもなかった。
ウィンクルムは、なぜか命守神社にいた のである。
彼女は賽銭箱の上であぐらをかいてい た。よく、ミコトに注意されなかったな と思う。
「ウィンクルム!」
俺はすぐに彼女の元まで駆け寄り、その 顔をのぞきこんだ。暗がりで、表情まで ははっきり見えない。
「帰ってこないし、心配したよ。大丈 夫!?」
「ケガしてるように見える?」
「ううん、そんなことはないけど……」
「今夜はここに居たい気分なの。あなた はさっさとアパートに戻りなさい」
覚悟はしてたけど、やっぱり、ウィンク ルムの口調は冷たいままだった。
「……パスタあるんだ。里桜が…さっき の友達が作ってくれたソースが残って て。麺茹でれば食べられるから。お腹す いたでしょ?」
「………………」
ウィンクルムとの間にある壁を、ただた だ壊したくて。普段通りの口ぶりで、何 でもないフリで、俺はそんなことを言っ た。
冷静な態度とは裏腹に、けっこう追いつ められていた。
アパートを出た瞬間は、彼女に会えば何 とかなるかもしれない、なんて、漠然と 考えていられたけど、こうして本人を目 の前にすると悪い想像しかできなくて息 苦しい。
彼女を見つけられて嬉しいのに、幸せ気 分に100%浸れないのはどうして……?


