ううん、里桜はここにいて!入れ違い になったら連絡してくれる?」
「わかった……。気を付けてね」
「ありがとう。後のこと、よろしく!」
鍵を持って玄関を出ると、ウィンクルム がいた!
今帰ってきたって感じじゃなく、何時間 か俺の部屋の前でしゃがみこんでいたみ たいだ。
「ウィンクルム!帰ってたの!?中に 入ってきたらいいのに、どうして……」
「別に……。誰かいるみたいだったし。 ずいぶん楽しそうにしてたわね」
「あ、うん、高校の時の友達が訪ねてき たんだ。しばらくの間、泊めることにな りそうなんだけど、いいかな?」
「いいんじゃない?ここは私の家じゃな いし。主はあなたでしょ?」
ウィンクルムは冷たいままだった。とん でもないことに巻き込まれた俺に呆れて いるという風ではなく、心底無関心、と いった口調だ。
「ごめんな、ウィンクルム。中に入ろ う?」
ウィンクルムの背中を押そうとした時、 その手を彼女に払いのけられた。
「触らないで……!」
一瞬のことに、心が凍りつきそうにな る。
「ごっ、ごめん……」
「…………」
無言で靴を脱ぐと、ウィンクルムはキッ チンにいる里桜を一瞥(いちべつ)し、 何も言わずにベッドルームにこもった。
「……ケンカ中?」
里桜が心配そうに訊いてくる。
「それとも、私が来たせいだったりす る?」
昼間の強引さがウソだと思うくらいしお らしい声で、
「私、帰ろうか?湊にそういう子がい るって知らなくて巻き込んだ。ごめん ね、なんか……」
「いや、違うんだ……」


